司政官コーナートップ | 目次ページ
引き潮のとき
初出:SFマガジン1983.2-1995.2(144回)
単行本:早川書房ハードカバー全5巻(1988-95)
 | 登場司政官 キタ・PPK4・カノ=ビア
タトラデン出身。早くに両親を亡くし、養育院で育つ。養育院の院長に目をかけられ連邦の行政専門家養成課程へ進学。
|  | 登場巡察官 バザラ・PK2・ジャクスン
定期巡察で来訪。
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■舞台惑星 タトラデン(1003星系第3惑星)
- 自転周期(1日)=30時間(現地単位=テイ)
- 公転周期(1年)=370日(現地単位=ヨール)
- 貨幣単位=タット(旧来は下位単位にデンを併用)

- ■原住種族 プバオヌ(現地称呼)
- 独自の言語をもち、社会を作っているヒューマノイド。薄い唇と浅黒い肌を持つ。女性のほうが大柄で力が強く(身長約2メートル)社会の中心となっている。
性格はおとなしく他人が喜ぶのをみることを好むが、突然変異によりトズトーと呼ばれる攻撃的な個体が現れる。上流階級の使用人となる場合は女性が雇用され、その家族ぐるみで住み込みとなることが多い。人間には発音しにくい名前を持ち、略称で呼ばれることもある。熱帯地方の森に住む。
司政官機に触れるテネン。
このシーンはとても印象深い。
■そのほか主要登場人物
- メルニア・PPK4・レクス/キタの同期生。
- ミア・TB・コートレオ/東海岸通信社の記者。
- エイゲル・SA・ジャクト/名家ジャクト家の当主。キタの幼なじみ。
- ロイゼ・TA・マイヤーヌ/調整家。ジャクト家に仕える。
- パヤサニャレイヌバ(略称パヤサバ)/プバオヌ。仮設都市ハビヤの筆頭委員。
 | 緻密な思考の果てに
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■司政官制度発足からかなりの年月が経過した時代。植民者も世代を重ね、それぞれの世界の住人として落ち着き、司政官不要論がささやかれてもいた。
■養成コースを終了し配属を待つキタは自分の出身惑星へ行くようにと命じられる。近傍の植民世界と組んで連邦中央に対抗する勢力となるのを阻止しろという密命なのだ。幼なじみの名家一族や原住種族の覇権争い、頭の固いSQ1など様々の要因が絡み合い、経済・軍事面でも難問が山積なタトラデンだが……
司政官の日常から連邦機構まで、長編ならではの詳細な描写が見どころ。
■あまりに長いので途中で予想していたラスト。
- メルニアと結婚する
- ミアをつれて連邦中央へ帰る
- ロイゼにたぶらかされジャクト家に入る
- SQ1と心中する
- どうでもよくなってSQ2Aと旅に出る
……眉村素人でございました。
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 | 彼女たちの時代
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■女性の描き方が天然にカッコイイ眉村氏ですが、この大長編はキーになる人々がほとんど女性で、キタが翻弄されているのがなんとも。
ジャクト家もニサイアやロイゼが実権を握って操ってそうだし、ハビヤのパヤサバも要求するときは容赦ないし、新聞記者のミアは諜報員までつとめるし、同僚のメルニアは仕事を仕上げてさっさと帰っちゃうし……SQ1も口うるさい世話女房って感じだ。
■キタの少年時代にちらっとでてくるプバオヌ使用人の「変な男は嫌いだからね」っていう台詞は名言だなー。(「プバオヌのおばさん」って言い方も未来が日常になじんでいる)
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| *さらに余談* |
■ミステリーでサラリーマンものといえばこの人、の森村誠一の短編に「出向エリート自殺事件」という短編があります(「黒の事件簿」講談社文庫所収)。高卒で銀行に入り、大卒並に認められて大抜擢された男がある傾きかけた企業を立て直すべく出向するという話で、これと同じような読後感が味わえます。とほほ。(つうかタイトルでオチ割ってるな)
■私はこっちを中学生の時に読んで「大人って大変だな」と思いましたよ。森村作品は眉村サラリーマンものより救われないので憂鬱になりたいときにおすすめだ。
この文庫本の解説によると城山三郎の「ある倒産」も似たような話らしいです。 | |
「引き潮のとき」2巻だけが品切れです。ご協力お願いします。
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