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[か行] 崩れる / 貫井徳郎

2004-09-14

推理作家協会年鑑で初読。古い作家をちまちま読んでいると新しい作家にまで手が回らないのですが(いわゆる綾辻以後はほとんど未読)、アンソロジーだと試食できるのでカタログ代わりにしています。


あらすじ落ちぶれた画家の夫と無職の息子。どうにもならない二人の生活を見ながらパート勤めをする主婦の芳恵はある暑い日に……。


ものすごく生活感あふれる描写が主人公の心理に説得力を与えています。気温がこっちまで伝わってくるような。読者の心をつかんで引きずり回し、見事に着地。ラストの台詞に大きく頷いてしまいました。


ということでその後デビュー作の「慟哭」を読んでみて……やられた。まあ私はたいていのモノに騙されるんですが。もうこの文体がトリックなのだよねえ。地味な文体で地味な人々を描く中に仕掛けが。短編での貫井マジックがもっと読みたい。


【収録書】

  • 推理小説代表作選集1995年版/日本推理作家協会編(講談社)1995
  • 犯行現場にもう一度/日本推理作家協会編(講談社:講談社文庫)1997
  • 崩れる:結婚にまつわる八つの風景(集英社)1997・文庫2000

【初出】「小説すばる」1994年11月号

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