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[さ行] 鈴蘭の死臭 / 森村誠一

2004-09-21

森村誠一は「証明」シリーズなど映像化された社会派長編で有名ですが、トリビア満載の短編も魅力があります。特殊な動植物や業界などが題材になっていて、いろいろな雑学を知りました。ホテル業界についてもこの人の作品で知ったなあ。


あらすじ暴力団員山田の内縁の妻、島枝が自宅で殺害されていた。発見者の妹は「鈴蘭の香りがした」と証言するが……。


このスズランは北海道土産の香水。この作品では香水と嗅覚に関する知識がキーになります。そこが一番印象に残っていたのですが、再読すると伏線の張り方の巧みさにもびっくり。(ところでここに出てくる物理トリックは海外有名作品のバリエーション?)


著作リストを眺めていると、漢字の使い方が独特で粘り気のある黒というイメージ。森村作品は犯人も探偵役もそれぞれ情熱を抱えていて一生懸命で、そのけなげさに心を動かされます。罪を憎んで人を憎まず。


【収録書】

  • 鈴蘭の死臭:森村誠一短編推理選集7(講談社)1978
  • 空洞の怨恨
    • (講談社)1975・ノベルス1977・文庫1977
    • (双葉社:双葉文庫) 1996
    • (日本文芸社:日文文庫)1999
  • 死線の風景
    • (:森村誠一自選傑作短篇集・読売新聞社)1976
    • (光文社:光文社文庫) 1991
    • (角川春樹事務所:ハルキ文庫) 1999
  • 七日間の休暇:森村誠一短篇コレクション12(立風書房)1993
  • 殺人のカルテ
    • (天山出版:天山文庫)1992
    • (勁文社:ケイブンシャ文庫)1996
    • (廣済堂出版:廣済堂文庫) 2001
  • ミステリー総合病院/佐野洋編(光文社:カッパノベルス)1981・文庫1992

【初出】「小説現代」1975年2月号

【参考】森村誠一公式サイト

http://www.morimuraseiichi.com/(著作リストあり)

この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2004/09/21.html