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[さ行] 青蛙堂鬼談 / 岡本綺堂
2004-09-22
半七捕物帳で知られる岡本綺堂の連作怪談集。それぞれ単独でもアンソロジーに収録されています。このシリーズには入りませんが「木曽の旅人」なども有名ですね。私は阿刀田高の解説エッセイで綺堂を知りました。そのエッセイ自体も怖くて……おっと、阿刀田高についてはまた後日。
ある雪の夜に「青蛙堂」主人が開催した夜咄の会。12人の語り手が怪異の物語を……
幽霊話や物にまつわる因果譚、不条理サスペンスなど舞台も様々なバリエーションの恐怖が詰まった怪談の見本市。
なかでも収録頻度の高い「利根の渡」がやはり印象深いです。盲人が渡し場で人探しを続ける理由は……夜中に針を研いだり、魚の眼を突く場面は異様な迫力。
湿りがちな日本的恐怖がからっと描かれていて、ぞっとする場面こそあっさりしているのが逆に怖い。映像が氾濫していない時代の文字ならではの演出だと思います。全体の枠組みがあって(参加者の一人が記録したという設定)、匿名というところや、因果関係を追求しすぎていないためでしょうか。
【収録書】
- 綺堂読物集2(春陽堂:日本小説文庫)1926
- 現代大衆文学全集12(春陽堂)1950
- 岡本綺堂読物選集1(東京ライフ社)1956
- 岡本綺堂読物選集4(青蛙房)1969
- 青蛙堂鬼談(角川書店:角川文庫)1961
- 大衆文学大系7: 岡本綺堂・菊池寛・久米正雄(講談社)1971
- 影を踏まれた女(光文社:光文社文庫)1988
- ちくま日本文学全集57(筑摩書房)1993
- 怪かしの鬼談集:岡本綺堂伝奇小説集其ノ3(原書房)1999
- 岡本綺堂集(筑摩書房:ちくま文庫)2001
【初出】「苦楽」1925年2月~1925年12月
【電子書籍】青空文庫「青蛙堂鬼談」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000082/card1307.html
【参考】綺堂事物-岡本綺堂案内
http://hansichi.hp.infoseek.co.jp/index.html(作品解題だけでなく綺堂に関する解説も多数)
この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2004/09/22.html