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[は行] 蛇 / 小沼丹

2004-10-16

大学教授にして余技作家のミステリ。あ、岡田鯱彦も教授でしたね。なんとなく浮世離れ、という点で共通かも。創元推理文庫で初めて読みましたが、純文学の短編も読んでみたくなりました。

A女学院のニシ・アズマ先生が謎をとく、連作ミステリの1編。屋根裏で昼寝をするのを楽しみにしていて、赤い縁の眼鏡をかけると名推理が。他に登場する女性教師たちも楽しい。


あらすじ夏休み、臨海学校に随行したニシ・アズマは帰りに友人スミス(通称:女性)の別荘へ招待された。スミスの女友達も含めた一同はボート遊びに出かける。近所の別荘にいる男子学生2人とスミスの弟も同行するのだが……「蛇って泳げるんですよ」


アズマの推理だけで直接事件の描写はないのですが、だからこそひんやりとした余韻が残ります。人の心によって起こる事件の恐ろしさがかいま見える。


雑誌掲載順にまとめられていて季節が一巡していますが、あとがきによると特に意識していなかったとのこと。日常の謎派に含まれるのでしょうが、この飄々とした雰囲気は独特のものがあります。登場人物の名前がみんなカタカナというのが不思議に異国風。


【収録書】

  • 黒いハンカチ
    • (三笠書房)1958
    • (東京創元社:創元推理文庫)2003
  • 小沼丹作品集2(小澤書店)1980
  • 小沼丹全集第1巻(未知谷)2004

【初出】「新婦人」1957年7月号

【参考】小沼丹著作目録

http://melon.gc.matsuyama-u.ac.jp/~fujimoto/onuma.html(他の著作のタイトルもお洒落)

この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2004/10/16.html