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[ま行] 無惨 / 黒岩涙香
2004-10-22
日本推理小説の元祖とされる作品。明治時代の作品は現在国会のデジタルライブラリーでいろいろ見られるので検索すると楽しいです。デジタルとはいえ画像データで、純粋なテキスト形式ではないのでちょっと読みづらいですが……気分はヨコジュン。
明治22年7月5日、築地で無数の傷がある男の死体が発見される。この無惨な遺体は身元不明のため、大鞆・谷間田の二人の刑事が推理してゆくのだが……
凶器や動機を巡る刑事の会話がボケとツッコミみたいで笑える。死体から現場を再現していく様子が論理的です。おお、科学的捜査法だ。刑事同士の手柄争いもあって現代警察ものの嚆矢とも言える……ってこともないか(^_^;)最後になるまで被害者がわからないのにはびっくりだ。――「東洋のルコック探偵になるべし」
むかーし学生の頃ちょこっと近世文学をやっていたんですが、恩師(http://www.fumikura.net/index.php)は「明治33(1900)年までは江戸のうち」と主張しておられました。活字本と版木刷り本の端境期なのですが、媒体が変わっても前の形式を踏襲していて古いんだか新しいんだか。近世の雰囲気を残した形式で「ミステリー」が書かれていたことに驚く次第です。
【収録書】
- 無惨(鈴木金輔)1890
- 黒岩涙香:別冊幻影城no.10(幻影城)1977
- 小説叢(小説館)1889
- 日本推理小説大系1(東都書房)1960
- 日本探偵小説全集1(東京創元社:創元推理文庫)1984
- 文豪ミステリー傑作選2(河出書房新社:河出文庫)1985
- 日本ミステリーの一世紀・上巻/長谷部史親・縄田一男編(広済堂出版)1995
【初出】「小説叢」1889年9月(明治22年)
【電子本】国会図書館近代デジタルライブラリー(http://kindai.ndl.go.jp/img/)
「無惨」で検索すると「小説叢」第1・2冊合本がヒットします。「無惨」は30コマ目から。
この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2004/10/22.html