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[01デビュー][や・ら・わ行] 冷蔵庫より愛をこめて / 阿刀田高
2004-11-10
短編の名手として知られる阿刀田高の小説デビュー単行本です。トータルでリスト入りということで。初期の「奇妙な味」系列の怖さ、切れ味の鋭さに一目でトリコになりました。星新一とはまた違った大人の味で、10代の後半にどきどきしながら読んだものです。これと直木賞受賞作品集でかつ日本推理作家協会賞受賞作が入っている「ナポレオン狂」が阿刀田ベストだと思います。
事業を興して失敗した男は入院することになり、妻が美容院に再就職して生活を支えることになったのだが……
意外にも調べた限りでは他のアンソロジーに収録されていませんでした。これ単独だとちょっと弱いかも。新人作家のタイトルはインパクトがないと、といわれてこの題名にしたら料理本のコーナーに並べられたとエッセイで書いていましたが、本当ですかね?
ラストに収録されている「恐怖の研究――あるいはエピローグ風の小品――」が集中で一番好き。恐怖小説のアンソロジーを作ろうとした編集者が大学教授を訪ねると……という枠組みで、小説の中の恐怖に関する解説と、名作短編小説が挙げられていきます。そしてぞっとするラストも。今読み返したら、これに出てくるポーの「細長い箱」が未読なので今度探そう。
小説の他、恐怖の根源を追求したエッセイも忘れがたく繰り返し読んだものでした。サキやスレッサーなどの作家は「阿刀田が紹介していた作家」としてセットで刷り込まれてしまっています。最近は古典や歴史もの解説の方が有名なんでしょうか。作者の老いも感じられるのが寂しいところですが(バーや女性の艶っぽい話が減った)年代なりの新境地を開いてくれるのでは、とまだまだ期待を残している作家です。
その他初出一覧
- 「趣味を持つ女」小説現代1976.11
- 「仮装パーティ」小説現代1977.7
- 「海藻」エル(PR誌)1970
- 「あやかしの樹」小説CLUB1976.8
- 「幸福通信」オール讀物1978.3
- 「知らない旅」小説CLUB1977.8
- 「わたし食べる人」問題小説1976.8
- 「夜の真珠貝」(エロチックな真珠貝)問題小説1976.3
- 「エネルギーの法則」(猫の牧場)月刊小説1976.11
- 「歌を忘れない鸚鵡」別冊小説新潮1977.春号
- 「真実は強し」月刊小説1977.9
- 「ギャンブル狂夫人」小説CLUB1978.3
- 「心の旅路」PINKパンチ1971.1
- 「幽霊面会術」別冊小説現代1975.初夏号
- 「ホーム・スイート・ホーム」小説新潮1976.10
- 「最後の配達人」(死の配達人)月刊小説1977.7
- 「恐怖の研究」小説CLUB1975.5増刊
【収録書】
- 冷蔵庫より愛をこめて(講談社)1978・文庫1981(第80回直木賞候補作)
【初出】「小説新潮」1976年7月号
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