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[01デビュー][や・ら・わ行] 六枚のとんかつ / 蘇部健一

2004-11-12

発表当時、賛否両論(ほとんどが否)だった話題作。私はあまり新しい作家を読まないので(特に信念があるわけではなく、単に手が回らないだけ)ノベルス版を図書館で手に取るまでメフィスト賞の存在自体を知らなかったのですが、読み終えて怒りのあまり即その年の自分ワースト本に決めてしまいました。なんだこりゃっ!


――それから5年。ネットで小耳に挟んだ文庫の発売日に書店に駆けつけてしまったのはなぜだろう。同じような思いの人が多かったものと見え、仕事帰りで遅い時間に立ち寄った書店にはもう1冊しか残っていませんでした。元々入荷量が少なかったのかもしれないけど。


あらすじ雪に囲まれたB村でY社長が殺された。保険金目当てと思われたが、仲の悪い6人の息子は犯行時刻にA村からB村に向かう途中であり、アリバイが成立してしまうのだが……


保険調査員の「私」小野由一と学生時代の友人である推理作家の古藤、新入社員の早乙女が探偵役となって事件を解決(?)する連作集。文庫版には趣向を変えた「五枚のとんかつ」も収録されています。よく見るとアリバイものが多く、そういうのが好きなんでしょうか。その後「長野・上越新幹線四時間三十分の壁」というのも出しているし。

って、なんのかんの言いつつ蘇部作品は全部読んでしまったのであった。不覚……。


よくトリックが島田荘司の「アレ」(一応伏字)のパクリといわれていますが、それは根本の部分のことで、そんなに目くじらたてるほどのことかなあ。それをいうなら阿刀田高の「趣味を持つ女」の方が早いはずだし……。

その後、私はメフィスト賞では「ハサミ男」しか読んでいない。これからも読むことはないであろう。蘇部健一を超える作家が出ない限り。


【収録書】

  • 六枚のとんかつ:抱腹と感動を(タイトル関連情報初版のみ)(講談社:講談社ノベルス) 1997・改訂新版1998・文庫2002

【初出】講談社ノベルス1997(第3回メフィスト賞受賞作)

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