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[や・ら・わ行] わが女学生時代の罪 / 木々高太郎
2004-11-14
短編と称するには長いですが、たいてい他の作品と併録されているのでご勘弁を。作者は医者兼業で、シリーズ探偵に精神科医の大心池先生がいます(大心池先生、って「先生」までがキャラクターの名前みたいな気がしてしまう)。第4回直木賞を受賞し「推理小説」という言葉を提唱。
少女の肖像画を描いていた木村兼雄がアトリエで死亡しているのが発見された。初めはストーブの事故による一酸化炭素中毒と思われたが、精神科医大心池の弟子である「私」が探している女性患者と関わりがあるとわかり……
殺人事件よりも患者りみ子の女学生時代の回想がなかなか。古い作家の女性一人称はかなり楽しいと思います(久山秀子とか)。旧制高校が青春だとすると女学校は浪漫ですかねー。その回想と肖像画と事件がどう結びつくかというと……。ラストへ向けてそれぞれの要素が集結していくところにぞくぞくします。
大心池先生が、自分の推理はこうだと言い出すからには、先生は証拠をそろえて一切を知ってしまったことを意味するのだ!
名探偵はこうでなくっちゃ。
私が大心池先生を知ったのは「小説新潮」臨時増刊の「昭和の名作名探偵」(1990年7月)によってでした。いわゆる名探偵が登場する国内33編+海外2編が収録されていて、巻末には都筑道夫と新保・山前(推理作家協会賞コンビ)の対談が載っている豪華版。大心池先生は中村真一郎が紹介しています。雑誌の形態で出たのがもったいないぐらいで、私は永久保存版としています。
【収録書】
- わが女学生時代の罪:日本探偵小説全集(春陽堂)1953
- わが女学生時代の罪(春陽堂書店:春陽文庫)1956
- 現代長篇推理小説全集第2:大下宇陀児・木々高太郎集(東都書房)1961
- 木々高太郎全集5(朝日新聞社)1971
- 昭和国民文学全集14:小栗虫太郎・木々高太郎集(筑摩書房)1974
- 昭和国民文学全集19:増補新版:小栗虫太郎・木々高太郎集(筑摩書房)1978
- 日本探偵小説全集7:木々高太郎集(東京創元社:創元推理文庫)1985
【初出】「宝石」1949年3月号~1951年12月号(断続的に掲載)
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