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[か行] 銀行狐 / 池井戸潤

2004-11-22

最近まで「金融ものの人かあ。難しそうだなあ」と思っていたんですが、この短編集が文庫化したのを期に手に取ってみました。……すみません、私の目が節穴でしたっ。もっと早く読めばよかった。「元銀行マンで金融の人」というレッテルは出版社も付けたがっているようですが、作者はいろいろ実験的なことをやっているみたいです。短編はそういう色が出やすいということもあるけど。


あらすじ帝都銀行に「狐」と名乗る脅迫状が届いた。総務部特命担当の指宿修平は調査を命じられるが、新橋支店を狙った嫌がらせが続出し……

「狐」の嫌がらせが凝っていて、銀行に詳しくなくても引き込まれます。実際はどうかわかりませんが、よいこはまねしないように。一つの謎が解けても更に謎を呼ぶつくりが巧いです。解説によると指宿はその後「銀行総務特命」にも登場している模様。組織の中で特殊な立場から事件に関わるところがちょっと横山秀夫チック。

狐は高くとびあがり、獲物にどちらへ逃げたらいいか迷わせ捕食するという。


作者本人のサイトを見ていたら「黒焦げ蜘蛛の会」という連作シリーズが温められているらしく、すごく気になる。本にまとまるのは未定のようですが、読みたい!(もちろんアシモフのパスティーシュらしい)楽しみに待っています。


【収録書】

  • 銀行狐(講談社)2001・文庫2004
  • ザ・ベストミステリーズ2002/日本推理作家協会編(講談社)2002
  • 銀行狐 THE URBAN FOX/一の瀬正漫画(「週刊漫画TIMES」2002/4/5号~)(未単行本化?)

【初出】「小説現代」2001年7月号

【参考】池井戸潤の銀行の歩き方

http://home.att.ne.jp/orange/ikeido/(本人の日記、著作へのコメントなどがあります)

この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2004/11/22.html