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[た行] ダック・コール / 稲見一良
2004-12-26
動物と冒険・ハードボイルドは相性がいいんでしょうか。私はあまりこの分野に詳しくないのですが、ハードで男っぽいストーリーの傍らに野生動物が配されるとロマンを感じてしまいます。西村寿行の動物ものとか。最近では新堂冬樹が「動物記」というタイトルで短編集を出していました。まだ読んでいないんですが気になってます。子どもの頃「シートン動物記」にわくわくしていました。
旅をしていた「ぼく」が出会った老人は石に鳥の絵を描いていた。その鳥たちを眺めていると……
一番印象に残ったのは第一話の「望遠」。ある市のPR映画撮影の最終仕上げとなるカットを撮影すべく待機していたカメラマンが出会ったものは……シベリヤ・オオハシシギの映像が強烈に残ります。
元来単発だった短編を短いストーリーでつないで野鳥を中心にした連作に仕上がっています。あとがきによるとブラッドベリ「刺青の男」に想を得たとか。どれも登場人物が格好良く、そういう人間でありたいなあと思わせるものがあります。同じ作者の「猟犬探偵」シリーズもクールな犬がかっこいい。
この本はなぜか手元に残らない本で、初読は図書館でハードカバーを借りて感動し文庫が発売された時すぐに買ったのに、人に貸してそのまま(よくあるパターン)。2冊目を買い直したはずなのにこの項目を書こうとしたら見あたらず。仕方なく3冊目を買う。その間にオフ会交換用に持っていったこともあったし。古本屋で買った分もありますがトータルで4冊なので許してください。またどこかにやらないように気を付けねば。文庫版表紙の羽ばたく鴨のイラストが力強くて気に入っています。
【収録書】
- ダック・コール(早川書房)1991・文庫1994(第4回山本周五郎賞受賞・第10回日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞・このミステリーがすごい!1992年国内3位)
- ダック・コール:上・下(埼玉福祉会:大活字本シリーズ)2002
【初出】
- 「パッセンジャー」:「ミステリマガジン」1990年6月号
- 「デコイとブンタ」:「奇想天外」1989年第10号「いやな世の中だなぁ」改稿
- 残り1991年単行本書き下ろし
この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2004/12/26.html