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[た行] ヂャマイカ氏の実験 / 城昌幸
2005-01-03
星新一が魅せられ作品集を編んだ作家の掌編です。短い作品のどれも不思議な透明感があって、確かに星作品のような味わい(逆だけど)。人名もヂャマイカ氏とかシャンプオオル氏とか、国籍不明でエヌ氏みたいだ。あっというまに読めて、ほどよい余韻が残ります。
「私」がプラットフォームで終電車を待っていると、一人の外国人がフォームの上を歩いていた。彼はやがてフォームから足を踏み出し空中へ……
鮎川哲也編の鉄道アンソロジーにも入っていますが、ちょっと無理があるかな。知らず知らずのうちに微笑が浮かんでくる感じの終わり方で、こういう話が都会の片隅にあってもいいんじゃないかなと思います。このヂャマイカ氏が童顔の白髪交じりの紳士で……まさに星新一。ミステリだけではなくSFのアンソロジーにも収録されていて、どちらの分野からも愛される作品なのもわかる気がします。
本年もよろしくお願いします。年の初めにきらっと光る、おめでたい感じの作品から始められました。リストの最後まで来たら、短編小説の紹介ブログとして続けていきたいと思います。どうぞよしなに。
【収録書】
- 殺人淫楽(版画荘)1935
- 都会の怪異(文海堂書店)1940
- 怪奇探偵小説集(金鈴社)1941
- 怪奇製造人(岩谷書店)1951
- 怪奇製造人:探偵クラブ(国書刊行会)1993
- 怪奇の創造/星新一編(有楽出版社刊:実業の日本社発売)1982
- 死人に口なし(春陽堂書店:春陽文庫)1995
- 怪奇探偵小説傑作選4:城昌幸集/日下三蔵編(筑摩書房:ちくま文庫)2001
- 日本探偵小説全集19:牧逸馬集・城昌幸集(改造社)1930 昭和5年2月3日初版
- 江戸川乱歩愛誦探偵小説集下巻/江戸川乱歩編(岩谷書店)1947
- 日本推理小説大系第6巻:昭和前期集(東都書房)1961
- 世界SF全集第34巻:日本のSF:短篇集古典篇(早川書房)1971
- 現代推理小説大系8:短編名作集(講談社)1973
- 新青年傑作選2:怪奇・幻想小説編/中島河太郎責任編集(立風書房)1974・1991
- 日本SF古典集成3/横田順彌編(早川書房:ハヤカワ文庫)1977
- イメージの文学誌4:幻想飛行記/埴谷雄高監修(北宋社)1979
- 下り「はつかり」:鉄道ミステリー傑作選/鮎川哲也編(光文社:光文社文庫)1986
- モダン都市文学4:都会の幻想/鈴木貞美編(平凡社)1990
- 創元推理No.13(1996夏)雑誌再録
【初出】「新青年」1928年3月号
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