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[た行] 逗子物語 / 橘外男

2005-01-07

前回の城昌幸とは反対に濃厚な文章の作家です。


あらすじ妻を病で亡くした「私」は逗子の了雲寺に滞在していた。ある日、美少年とその従者らしき男女が墓参りに来ている所を目撃し……


日本の幽霊話にしては、正体が判明してからも怖いところが異色。普通、そこで終わるんじゃ、というところからまだ幽霊騒ぎが続いている(^_^;)このくどさが独特。

これが諸君にお話しようとするこの怪奇な物語の起こった逗子の了雲寺の全貌であったが

よっ、正調怪奇探偵小説!


実はちくま文庫版が積読になっていたのでこの機会に通読してみました。うわー、やめられないわこりゃ。

海外実話風冒険談と国内怪談が半分づつなのですが、どっちも妙な迫力があってうっかり冒頭を読み始めてしまうともう目が離せない状態に。どうなっちゃうんだ。海外編は昔「人外魔境」(小栗虫太郎)に夢中になったのを思い出しました。ああいう冒険ものがお好きな方には断然オススメ。密林!博士!謎の生物!美女と野獣!!

……正直「え、そこで終わるわけ?」という話が多いんですが、初めよければ全てヨシ。このこってりした文章から湧いてくるワクワク感がたまりません。


【収録書】

  • 棺前結婚:怪奇探偵小説選集4(広論社)1975
  • 橘外男傑作選1(社会思想社:現代教養文庫)1977
  • 橘外男ワンダーランド. 怪談・怪奇篇/山下武編(中央書院)1994
  • 橘外男集:逗子物語/日下三蔵編(筑摩書房:ちくま文庫)2002
  • 橘外男集:くらしっくミステリーワールド10:大活字版(リブリオ出版)1997
  • 新青年傑作選3/中島河太郎編(立風書房)1969・1975・新装版1991
  • 別冊いんなあとりっぷ4完全復刻版:幻想・怪奇小説の世界/中島河太郎監修(いんなあとりっぷ社)1976
  • 現代怪談集成:上/中島河太郎・紀田順一郎編(立風書房)1982・合本1993
  • 怪奇探偵小説集2/鮎川哲也編
    • (双葉社)1976・文庫1984
    • (角川春樹事務所:ハルキ文庫)1998
  • 爬虫館事件:新青年傑作選/江戸川乱歩ほか(角川書店:角川ホラー文庫)1998

【初出】「新青年」1937年8月号

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