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[た行] どんでん返し / 笹沢左保
2005-01-18
木枯し紋次郎から本格推理まで幅広い作風の中から異色短編集をご紹介。収録6編がすべて会話体という趣向を凝らした短編集です。本当にこの時代の作家は精力的に書いていますね。全然読むのが追いつかない。
「どうだい、あんたも、やるかね」――夫から20年ぶりに酒を勧められた妻は……
一番はじめに書かれた「酒乱」は締め切りに迫られて2日で書いたとのこと。それにしては結構細かい伏線まで張ってあってさすが。
2・3人の登場人物で初めから終わりまで話が進むというのはすごい。会話が説明的すぎるけど、まあその辺は目をつぶって(でなきゃ状況がわからないもんね)。やりとりの中で転々とする事件。まさにどんでん返しの連続で、完全犯罪が成立するのかハラハラします。ラストに置かれた「皮肉紳士」のオチには笑ってしまった。全体の締めとしてもいいなあ。
祥伝社ノン・ポシェット文庫版(私が持っているのはこれ)は当時の担当編集者による解説あり。全部がまとまったときのことを構想して書かれたわけではないそうです。初出も載っていてありがたい。
【収録書】
- どんでん返し
- (徳間書店)1981・文庫1984
- (祥伝社:ノン・ポシェット)1994
【初出】
- 影の訪問者「小説新潮」1980.1
- 酒乱「問題小説」1977.2
- 霧「問題小説」1979.2
- 父子(おやこ)の対話「小説現代」1979.9
- 演技者「問題小説」1978.2
- 皮肉紳士「小説新潮」1980.9
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