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[は行] バイエルの八番 / 戸板康二
2005-01-22
「グリーン車の子供」などで知られる戸板康二作品からノンシリーズ物を。雅楽シリーズにもよく出てきますが、細かい観察が手がかりになるところが醍醐味。
新進作家の大槌は、同郷の先輩作家・吉岡に一人娘との結婚を申し込んでいた。しかし父親である吉岡の返事は……
バイエルを弾きやめてニタリと笑うシーンはこわい。一応ハッピーエンドっぽくなっているのに、あんまり後味がよくないのは犯人に同情してしまうからかなあ。なんとなく「いやな話」として記憶に残っています。きらいな話ではなくて。ミステリで作家がでてくる小説は作者が投影されて力が入っているせいか、妙に忘れがたくなります。
昔、ピアノを習っていてまさにバイエルで挫折しました……。今は音楽ミステリを読むときにうろ覚えの知識を引っ張り出してみたりして。うーん、役に立っているのか?
【収録書】
- 塗りつぶした顔:自選推理小説
- (双葉社:双葉新書)1976
- (河出書房新社:河出文庫)1987
- 推理小説代表作選集1974年版/日本推理作家協会編(講談社)1974
- 犯罪ショッピング/日本推理作家協会編(講談社:講談社文庫)1979
- 戦慄の十三楽章/鮎川哲也編(講談社:講談社文庫)1986
【初出】「小説新潮」別冊1973年10月
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