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[は行] ベンチ / 村田基
2005-02-09
ハヤカワSFコンテスト出身作家のホラー作品です。1985年の第11回で参考作入選となり、翌年SFマガジン初掲載とのこと。今のホラーブームを考えると、早すぎた作家なのかなあという気がします。惜しい。SF作家がホラーの賞からデビューする時代だしね……。
定年退職した「わたし」は毎日散歩をすることにした。すると毎日公園の同じベンチに座っている老婦人が気になりはじめ……
するりと滑り込むラストにぞくり。淡々とした文体で描く、日常の中のどこか食い違った空間がおそろしい。
SFマガジンデビュー作の「山の家」(ハヤカワ文庫「恐怖の日常」収録)はもう、むちゃくちゃ怖かった。受験勉強を続ける浪人生の「ぼく」と母の生活が……ネタバレになるので何もストーリーが書けないのですが、まさに衝撃的でした。ほかの収録作もじわりと怖い。同じくハヤカワJAの「愛の衝撃」収録作も好きです。この路線の短編をもっと読みたいのですが、異形コレクション他に発表されている短編ぐらいしかないようです。あちこちの短編をとりまとめてほしい作家の一人。
【収録書】
- 時間怪談:異形コレクション10/井上雅彦監修(廣済堂出版:廣済堂文庫)1999
【初出】「時間怪談」1999年書き下ろし
この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2005/02/09.html