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[は行] 母子像 / 久生十蘭
2005-02-13
筒井康隆も同名の短編を書いていますが、ミステリ周辺で紹介しているのでこちらにしました(筒井作品も忘れがたい)。世界短編小説コンクール受賞作で、吉田健一によって英訳されたそうです。
昭和27年。放火によって補導された少年・和泉太郎は動機について口をつぐんでいた。警察に呼び出された中学の担任教師は太郎の素行について聞かされるのだが……
戦後の風景が反映されている作品。戦中の母親との思い出がキーになり、短さの中に切なさがつまっています。
ちくま文庫版には同時に掌編・短編がいくつか収録されていますが、それらの短さが美しくてうっとり。「骨仏」「昆虫図」などは淡々と進むところがこわいんですが。それで終わりなの!!「海豹島」のオットセイはなんだかかわいい……。冒険小説っぽいところも楽しめました。
【収録書】
- 母子像(新潮社:小説文庫)1955
- 肌色の月(中央公論社)1957
- 母子像・鈴木主水(角川書店:角川文庫)1959
- 久生十蘭全集・第1(三一書房)1969
- 昆虫図:久生十蘭傑作選4(社会思想社:現代教養文庫)1976
- 怪奇探偵小説傑作選3:久生十蘭集/日下三蔵編(筑摩書房:ちくま文庫)2001
- 昭和国民文学全集17(筑摩書房)1974
- 昭和国民文学全集22:増補新版(筑摩書房)1978
- 全集・現代文学の発見・第16巻(学芸書林)1969・1976
- 日本怪談集/種村季弘編(河出書房新社:河出文庫)1989
- 昭和文学全集32:中短編小説集(小学館)1989
- 日本幻想文学集成12(国書刊行会)1992
- 戦後短篇小説再発見4/講談社文芸文庫編(講談社:講談社文芸文庫)2001
【映像化】東映:佐伯清監督:1956年
【初出】「讀賣新聞」1954年3月26日~28日(1955年世界短編小説コンクール第一席:ヘラルド・トリビューン紙主催)
この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2005/02/13.html