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[は行] パソコン探偵の名推理/内田康夫

2005-02-17

浅見光彦で知られる内田康夫の連作シリーズです。最後の「死線上のアリア」だけは掲載誌が違うせいか、別作品集に入っています。さすが人気作家、再録再版の多いこと。メインシリーズじゃないから、と思ってなめてたらえらい目に。すみませんっ。


あらすじなぜか入学できた中高一貫教育学園でエリート天才グループとウマがあった鴨田は32回の転職の後、探偵事務所を開くことにした。卒業後もエリート人生を歩んでいた友人たちは、鴨田に警視庁のデータも入っているコンピュータを製作してくれた。こうしてゼニガタは鴨田探偵事務所の有能な助手になったのだが……


ええと、発表が結構前なのでコンピュータ云々のところは適度にインフレさせて読んでね、ということで。私はSFでも人語を話すコンピュータが出てくるものが好きなのですが(例:眉村卓「司政官シリーズ」)これも「名探偵」ゼニガタがいい味。クールで論理的なはずなのにとんちんかんな反応をするところから、かえって人間を意外な方向から描くおもしろさがあるからでしょうか。コンピュータのくせにダジャレがオヤジっぽい。考えるときに「ハテハテハテ……」と音が。


ところでエッセイなどによると、作者はもう短編を書かないとのことです。茫洋とした美食探偵(?)フグハラ警部や車いすの少女・橋本千晶などのシリーズキャラクターがわりと好きなので、もったいないなあと思います。


西村京太郎・赤川次郎に続いて量産系作家を取り上げました。濃いミステリ好きからは言及されることが少ない作家たちですが、大衆的なその姿勢が私は嫌いじゃないです。膨大な作品の中から好みの作品を見つけたときはうれしくなりますね。


【収録書】

  • パソコン探偵の名推理
    • (講談社:講談社ノベルス)1984・文庫1988
    • (集英社)1999

【初出&再録】

  • 「ルノアールの男」小説現代1983.4
    • 龍神の女(有楽出版社:Joy novels)2003
    • 推理小説代表作選集1984年版(講談社)1984・文庫1989
  • 「ナイスショットは永遠に」小説現代1983.6
  • 「サラ金地獄に愛を見た」別冊小説現代1983秋
    • 内田康夫集:もだんミステリーワールド1:大活字版(リブリオ出版)1998
    • 恐怖の変奏曲/日本推理作家協会編(光文社:カッパ・ノベルス)1986
    • 偽装シンドローム:日本ベストミステリー選集18/日本推理作家協会編(光文社文庫)1994
  • 「嗚呼ゼニガタに涙あり」別冊小説現代1984春
  • 「事件はカモを狙ってる」小説現代1983.9
  • 「シゴキは人のためならず」小説現代1983.12
    • 軽井沢ミステリー傑作選(河出書房新社:河出文庫)1986
  • 「田中軍団積木くずし」別冊小説現代1983冬
  • 「怪盗パソコン『ゴエモン』登場」小説現代1984.7
  • 「死線上のアリア」野生時代1985.9
    • 死線上のアリア(飛天出版)1993
    • (光文社:カッパ・ノベルス)1995
    • (徳間書店:徳間文庫)1997
    • (角川書店:角川文庫)2000

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