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[03動物] 魚の声/内海隆一郎
2005-03-15
内海隆一郎というと、あたたかい筆致で市井の人間を描く、みたいな紹介がされていることが多いのですが、これは初のホラー短編集とのこと。全10編のタイトルが「~声」という形に統一されています。
ピッキング盗をしている「おれ」は忍び込んだマンションの一室で大きな水槽と50匹あまりのメダカを見た。いったんは引き上げたものの、禁を犯して再び同じ部屋へ戻りメダカの雌雄一匹づつを持ち帰ってしまうのだが……
聞こえるメダカの声とは……?他の短編も少しづつ動物が絡んでいます。自然の中の予感、のような話が多い。定評ある人間描写でぞっとするラストに持っていくので、短くても満足感があります。
他、講演会に出かけた作家がなぜか殺人犯の疑いをかけられ園芸にかり出される「波多町(なみだまち)」など不条理ホラーと日常人情描写の二刀流もいい。暖かいまなざしとシビアな眼の揃った作家だと思います。
【収録書】
- 魚の声(集英社)2001
【初出】「小説すばる」2001年5月号
【参考】内海隆一郎の本棚
http://members.jcom.home.ne.jp/0382099601/
作者自身による公式サイト。単行本未収録短編が読めます。
この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2005/03/15.html