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[07体] 片腕/川端康成

2005-03-24

川端康成については何も語る資格はありませんが(いや、他の作家だって語れませんが)純文学系も一つ。「掌の小説」はまさに掌編小説群です。新潮文庫はあまり買わないので、Yonda?の文豪グッズなかなかもらえないんだよね……。

最後に挙げてあるムックは「新潮」創刊一〇〇周年記念・通巻一二〇〇号記念、だそうです。


あらすじ印象的な冒頭から。

「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」と娘は言った。そして右腕を肩からはずすと、それを左手に持って私の膝においた。

「私」は娘の右腕を抱えて霧の夜の中を帰ります。腕は温かく血が通っていて……


なんとも艶な話。右腕との接触だけなんですが。女の腕の描写がこれだけ繊細で美しいのはさすが文豪。ちょっとフェチ?ラジオ放送の断片などからファンタジックな霧の中へ引き込まれ、読んでいるうちにだんだん彼女がいとおしくなってきます。時計のゼンマイは巻きすぎないようにしなくちゃ。「私」の部屋にある泰山木の花びらからも香りが伝わってくるようです。

いきなり腕を外す話なのに誰も驚いていないので「ああ、そういうスタンスの話なんだな」とわかるのですが、でも誰かつっこんでくれぇ、と思ったり。


【参考】日本ペンクラブ電子文藝館

http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/

(豪華メンバーの小説・詩・戯曲などが無料で読めます。惜しむらくはナビゲーションがいまいち)


【収録書】

  • 片腕(新潮社)1965
  • 川端康成集:新潮日本文学15(新潮社)1968
  • 川端康成全集12:古都・片腕(新潮社)1970
  • 幻想小説名作選/半村良選(集英社:集英社文庫)1979
  • 現代短編名作選7:1962~1965/日本文芸家協会(講談社:講談社文庫)1980
  • いま、危険な愛に目覚めて/栗本薫編(集英社:集英社文庫)1985
  • 日本幻想文学大全:下/幻想文学会(青銅社)1985
  • 森の声:現代ホラー傑作集/内田康夫編(角川書店:角川ホラー文庫)1995
  • 魂がふるえるとき/宮本輝編(文藝春秋:文春文庫)2004
  • 名短篇:別冊新潮:SHINCHOムック/荒川洋治編(新潮社)2004

【初出】「新潮」1963年8月号~1964年1月号

【電子本】日本ペンクラブ 電子文藝館版

http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/novel/kawabatayasunari.html

この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2005/03/24.html