« 告げ口心臓/米田三星 | メイン | ラブ・レター/浅田次郎 »
[07体] ライトジーンの遺産/神林長平
2005-04-06
操るものと操られるもの。言語。そして猫と酒にこだわる神林長平の連作集です。
人工臓器が普及した時代。巨大になりすぎた総合臓器メーカー・ライトジーン社は解体されていった。ライトジーン社で作られた人間で超能力を持つ菊月虹(コウ)は人工臓器がらみで起こる事件で警察に協力していくのだが……。
人工臓器が崩壊する社会とかその辺のSF設定は背景っぽく、コウと刑事のやりとりはハードボイルドな私立探偵ものに似た味わい。同じく人造人間で超能力者、おまけに性転換した「姉」のMJもライバルとして登場(姉も神林作品に多いな)。
なぜかコウが音楽を聴きに行くことになる「ヤーンの声」はハードさを一休み、というような日常的短編。冒頭で古本屋のアルバイトをしている描写から本の話になりますが、未来も紙の書籍は存在するんだろうか。してほしい。
【収録書】
- ライトジーンの遺産
- (朝日ソノラマ)1997
- 上・下分冊(朝日ソノラマ:ソノラマ文庫ネクスト)1999
- (朝日ソノラマ:ソノラマ文庫)2003
【初出】
- 「アルカの腕」のみ「グリフォン」1993年夏号
- 残りは単行本書き下ろし
この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2005/04/06.html