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[04手紙] 星は、昴/谷甲州
2005-04-15
手紙の魅力は「即時性がない」ことだと思います。届くまでのタイムラグがいいじゃないですか。この作品に登場する通信も、宇宙基地どうしでやりとりする手紙の一形式といえるかもしれません。
ある散開星団の基地で単独観測をしている「私」と、離れた別の基地で観測をしているターナー博士とは休息時間に通信で会話を楽しんでいた。二つの基地の間には2ヶ月のタイムラグがあるのだが、お互いに計算して会話を送るのだ。ところがある日から、ターナー博士からの通信時間に微妙な変化が現れ……「すばる、と呼んでいるのか、寺沢博士の国では。」
谷甲州の航空宇宙軍史ではない、ノンシリーズ短編。基地へ巡回するバスですら、予定外の航路をとれないところなど、物理法則にしっかりからめとられている宇宙。この冷たさがあるから、ラストの光のきらめきが美しく見える。谷作品の決して甘くない(作者にもだと思う)宇宙の描き方が好きです。
【収録書】
- 星は、昴(早川書房:ハヤカワ文庫JA)1997
【初出】「SFアドベンチャー」1990年2月号
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