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[02食] 美食探偵/火坂雅志
2005-04-24
歴史・時代小説で知られる作家ですが、ミステリの連作集も。他ではあまり取り上げられない題材を使った個性的な短編が多いですね。小道具や脇役の人物を上手く使って歴史の流れを描くという感じ。特に食――甘いものと釣りの話になると筆が冴えます。私の隠し球的オススメ作家。あんまり話題になってないけど……というかこの人を知っているという生身の人に会ったことがないや……
時は明治30年代。洋行帰りの文士・村井玄斎が大磯のワトソン・山田文彦や多嘉子と出会う事件とは……
解説によると玄斎は実在の人で「食道楽」というグルメガイド小説を書いたようです。当時ベストセラーになったらしい。それを書きながらいろいろな事件に関わるという設定で、入ってきたばかりの洋食を食べる描写が文明開化の音。
玄斎は洋行帰りのジャーナリストということで現代人読者の感覚に近く、作中世界を読みやすくガイドしてくれてます。第1の事件で知り合う多嘉子嬢の活躍も楽しい。
本格ファンには「冬の鶉」を。破格の条件で雇われたコックが出くわした人間消失事件……「(ホームズの有名作:一応伏せときます)」かい(^_^;)。靴の汚れで客がどこから来たか推理する玄斎。
ホームズの話は文中でも出てきますが、警視庁の警部までホームズかぶれのところが笑える。原書で読むマニアぶり。
続編があるっぽい終わり方なんですが、どこかに連載されているんでしょうか?玄斎と多嘉子の行方も気になる。ぜひ読みたいです。
【参考】
http://shop.kodansha.jp/bc/bunko/pocket/200203/003.html
火坂氏の短編にかける意気込み。この作品集「桂籠」もいいよ。
【収録書】
- 美食探偵(講談社)2000・文庫2003
【初出】「季刊歴史ピープル」?年連載
この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2005/04/24.html