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[06音楽] 悪魔の顫音(トリル)/氷川瓏
2005-05-16
ひかわ玲子のおじさん、と言った方が通りがいい作家なんでしょうか。へー、渡辺剣次*1の兄だったのか(よけいわかりにくいぞ)。この名義では生前作品集が出ていなかったとのこと。
ヴァイオリニストの由利清彦は、天才と称されながらも最高の芸術を求めて苦悩していた。ある夜、由利は路上で演奏する老人の古ぼけた楽器に魅せられ、それを我がものにしようと……
作品自体はとても短くてあっさりしたものなのですが、だからこそ怖いというか、別次元へ連れ去られるようなラスト。求める音が出せたときの境地を思うと、怖さよりやるせなさの方が感じられます。究極の美を求める芸術家の話はいろいろあるけれど、どれもせつない。真の悪魔とは?
【収録書】
- 睡蓮夫人:氷川瓏集/日下三蔵編(筑摩書房:ちくま文庫)2003
- 戦慄の十三楽章/鮎川哲也編(講談社:講談社文庫)1986
【初出】「宝石」1949年7月号
- *1: 「13の~」と付くタイトルのアンソロジーを編纂した人、として私の中では認識されている評論家
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