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[05島] 南神威島/西村京太郎
2005-07-17
いや、暑いですね。こんなことならSF大会にでも行っておけばよかった(先週東京方面へ行っちゃったしまあいいかと)。気分だけでもバカンスを。西村京太郎2巡目です。
医師である「私」は孤島・南神威島の診療所へ赴任することになった。連絡船で知り合った行商人によると女性は開放的だという。そして島では伝染病が発生し……
……あんまりバカンスにならない話かも(^_^;)
「私」が到着してから見るもの全てが悪い方向へ暗示しているようで、何回読み返しても怖い。ワクチンの話もわかっていても読み返しちゃう。ほんとに島は閉鎖空間。何もかもから切り離されていて。
ちょっと気になってるのが、上の収録書目でも挙げたようにユーモア文学傑作選に入っていること。阿刀田高編のアンソロジーに入っているのだけど、日本ミステリー文学大賞の講評を見ると阿刀田はやっぱりユーモアととらえているよう。
初期の作品は、ときに重厚であり、ときに軽妙であった。『天使の傷痕』は今読んでもみずみずしいし、後者の代表作『南神威島』は、この方面の一大名作である。
申し訳ないことにこのアンソロジーは未読なので、収録作品リストから既読のものを思い出しているのだけど、これだけ浮いているような気もします。確かにこの作品の根底には黒い笑いが流れていると思うし、白水社だからいわゆるユーモアよりも気取ったものになっているのだろうけど、それでも表だってユーモアに入れるのも何か違うかなあと。普通にホラー傑作選だったら納得なんですが。
私がはじめて読んだのが光文社文庫「死者のコーラス」版だったのでそのイメージで固まっているのかもしれない。収録がグロ系ホラーばっかりで触るのが怖い本*1の一つ。
【収録書】
- 南神威島
- (自費出版)1970
- (講談社:講談社文庫)1992
- 行先のない切符
- (双葉社:Futaba novels)1983・文庫1986
- (徳間書店:徳間文庫)1999
- 華やかな殺意:西村京太郎自選集1(徳間書店:トクマ・ノベルズ)2000・文庫2004
- 家紋:最新ミステリー選集2:恐怖編/日本推理作家協会編(光文社:カッパノベルス)1971
- 死者のコーラス:日本ベストミステリー選集2/日本推理作家協会編(光文社:光文社文庫)1987
- 現代推理小説大系18:現代作品集(講談社)1973
- 沖縄ミステリー傑作選(河出書房新社:河出文庫)1986
- 日本ユーモア文学傑作選1/阿刀田高編(白水社:白水Uブックス)1990
- 昭和ミステリー大全集:下巻(新潮社:新潮文庫)1991
- 謀:推理作家になりたくて4/日本推理作家協会編(文藝春秋)2003
【初出】「大衆文芸」1969年11月号
- *1: 気持ち悪い話の本ってなんとなく怖くならない?
この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2005/07/17.html