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[05島] 太陽からの風/アーサー・C・クラーク

2005-08-03

懐かしい。これが表題作になっている短編集は私がはじめて買った海外SF小説です。たぶん、冒険っぽいタイトルに釣られたんでしょう。これで「クラークって人」を知りました。他にも冗談っぽい「史上最長のSF」(ほんとに最長!)なども入っていていろいろ書いているんだなーと思ったものでした。


あらすじ太陽風を利用した宇宙ヨットによるレースが行われようとしていた。ディアーナ号に一人で乗り組んだマートンは快調に加速を続けるが……


今読み返すと、ちらっと出てくる火星の植民地が気になったり、ロシアがライバルだったりするところに時代を感じたりもします。技術的にはどうなのかはさっぱりですが(もう実現してるのだろうか?それとも陳腐化?)この太陽風を受ける帆が魅力的でした。


クラークのSFは、地味~な文章で淡々と未来を描いていくところが好きです。日常の延長のように感じられる。そして、感傷的なシーンでも盛り上げるような文章ではなく、静かに終わっていきます。決して爆笑したり、派手にお涙ちょうだいにはならないけれど、そこから伝わってくるものは少なくありません。英国紳士の味わいですかねー。


この本の前書きを見たら

私は、2001年の出来事を、断じて(傍点)この目で(/傍点)見るつもりだ

……翁の長寿をお祈り申し上げます。


【収録書】

  • 太陽からの風(早川書房:ハヤカワ文庫)1978
  • 忘却の惑星/ドナルド・A・ウォルハイム/テリー・カー編(早川書房:ハヤカワ文庫)1978

【初出】「ボーイズ・ライフ」1963年5月号

この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2005/08/03.html