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[02食] 夜叉神堂の男/杉本苑子
2005-08-29
そういえば、日本的な怪談として思い出したのがこれ。
荒くれ者の漁師の父の元で育った「わたくし」はある節分の夜の事件をきっかけに寺の小姓となった。そこで平穏に暮らせるはずだったのだが……
こ、こわい。いや、禁忌を犯すこと自体じゃなくて、それを楽しんじゃう人間の業がねえ。恐怖だけでなくにじみ出る哀れさも味わえます。語り手が漁師の出、というのが伏線。「新著聞集」が元ネタのようです。「雨月物語」の「青頭巾」も入ってるかな。
収録書名の一番下に上げておいたアンソロジー「猟奇文学館」は3巻構成で、残りの2冊が「監禁淫楽」「人獣怪婚」という大変書店で買いづらいタイトルなのですが、どれも個性的な作品が収録されています。SFっぽいのもあったり。編者あとがきも中身になじんでいて、(いろんな意味で)すごいアンソロジーだなあと思ったのでした。宇能鴻一郎っておもしろいな(^_^;)
【収録書】
- 夜叉神堂の男
- (東京文芸社)1979
- (集英社:集英社文庫)1990
- 時代小説の楽しみ11:魔界への招待/縄田一男編(新潮社)1991・文庫1995
- 杉本苑子全集第22巻(中央公論社)1998
- 人肉嗜食:猟奇文学館3/七北数人編(筑摩書房:ちくま文庫)2001
【初出】「小説現代」1976年4月号
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