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[07体] 解けない方程式/石原藤夫

2005-10-15

トム・ゴドウィンの「冷たい方程式」を踏まえた「方程式もの」はSFのジャンルの一つになるんでしょうか。短編小説のジャンルと言えるかも(さすがに長編は読んだことないや)。

徳間文庫版の解説(堀晃)によると日本SF初の方程式ものだとか。


あらすじ人体の部分交換が可能になった未来。一人の老人が若者たちに語る宇宙船での事件とは……


冒頭の男女の会話に時代を感じる。未来を描いているんだけどね。このころは「軽薄」と思われることは屈辱だったのだなあ。昔の小説によく出てくるこういう感覚がなつかしい。舞台が宇宙船に移ると、がらっとハードSFの雰囲気になるところがさすが。調査員のヒノシオコンビが登場する惑星シリーズも好きでした。


この作品はストーリー自体にもひねりがあって、短編としても満足。SFの短編って*1「アイデアはすごいんだけどストーリーはそれだけ?」みたいなものもあるのですが、これは余韻のあるラスト。


方程式ものはシンプルな前提条件からいろいろな作家のいろいろな技が読めるので好きなジャンルです。タイトルに「方程式」とついているだけで作家名から想像して楽しめる。

  • 燃料がぎりぎりしかない宇宙船(少しぐらい余裕持てよ!)
  • 密航者(発進する前に気づけよ!)

というツッコミの部分をどう処理するか、にも個性が。


【収録書】

  • 画像文明(早川書房:ハヤカワSFシリーズ)1968・文庫1976
  • 銀河を呼ぶ声(徳間書店:徳間文庫)1981
  • 日本SFの世界/福島正実編(角川書店)1977

【初出】「SFマガジン」1968年4月号

【参考】

方程式物一覧

http://www.lares.dti.ne.jp/~hisadome/equations.html(H9まで版)

SF雑誌データベース検索サービス

http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~kanamitu/sf/sfdb/sfmgz.html(石原氏本人のデータによる検索ページ。タイトル=「方程式」で検索するともう少しでてきます)

  • *1: ミステリでもそうなんだけど

この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2005/10/15.html