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[08女] メニエル氏病/竹本健治
2005-10-28
「志ら小屋」の酉つ九(とりっく)姐さんを初めとするミステリアスな芸者の面々の「トリック芸者」シリーズ番外編から。本編のシリーズは「ウロボロスの偽書」の作中作……というべきか、うーん、まあややこしいことになっていて説明しづらいので、一度そちらをお読み下さいとしか言いようがないのです。決め台詞は「そこはそれ」――
太陽系内を航行する茶室つき宇宙船「WABI8000」に乗り組んだ矢崎と芸者・酉つ九は土星を巡る軌道にいた。矢崎は眩暈を覚えるようになり、酉つ九から「メニエル氏病」だと言われるが、宇宙船自体もコンピュータが狂いだし地球との連絡がつかなくなり……
谷甲州が書いたら軌道計算だけで終わってしまいそうな話だなー。宇宙船で芸者の都々逸。茶室つき宇宙船という和の心な描写になごんでいると、ラストにはあっけにとられてしまう。木星付近でコンピュータが……ってどっかで聞いたSFみたいですが、SFミステリです、一応。
初出の「ミステリーの愉しみ」は、全5巻のうち4巻までは普通の古い探偵小説アンソロジーで、順番に読んでいたらこんなのに当ってびっくり。で、解説にあった本編をさかのぼって読んだわけです。
この酉つ九さんが妙に気に入ってしまったので、もじって別の所でハンドルに使ってましたが、ひとめで読んでもらえないのと由来がわかりづらかったので失敗(^_^;)
【収録書】
- フォア・フォーズの素数(角川書店)2002・文庫2005
- ミステリーの愉しみ5:奇想の復活/鮎川哲也,島田荘司責任編集(立風書房)1992
【初出】「ミステリーの愉しみ5」1992書き下ろし
この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2005/10/28.html