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[11館] 十五年目の客たち/日下圭介
2006-02-27
お亡くなりになってから記事にするのもなんですが、日下圭介も短編の名手とされる作家でした。いささか地味ですが、推理作家協会の年鑑アンソロジーに頻繁に収録されています。おかげで全く短編集を買わずじまいだったのが悔やまれる。追悼に何か買おうとしたらブックオフでこれしか入手できなかった……。その中から一つ。
田沢湖近くのペンション楡では15年前、客が落ちてきた植木鉢によって死亡する事件があった。そして現在、オーナーからの招待で当時と同じ客が集められ……
当時と同じ部屋、同じ人物の間で動機やアリバイが検討されていきます。ミステリでこういう話だとどうしても人間のいやーな部分のえぐりあいになってしまう。お遊びの本格にあるようなワクワク感は全くない作風。
この作品集に収録されている短編はどれも後味がよくありません。たいてい一番感情移入して読む人が犯人なんだもの。でも嫌ではない。乾いた悲しさがウールリッチなんかに近いかも。
【収録書】
- 負のアリバイ(徳間書店:徳間文庫)1994
【初出】「小説コットン」1989年9月号
この記事へのリンク:http://wonder-tea.com/tamatebako/archives/2006/02/27.html